ピース・又吉直樹さん作「火花」は第153回芥川龍之介賞を受賞しました。今回は、作品の舞台となった吉祥寺で一日、語り明かせるスポットを巡る旅に出ませんか。
目次
火花って？
火花は、お笑いタレントピースの又吉直樹さんが書いた初の中編小説です。お笑いコンビ・スパークスの徳永（主人公）は、4歳上の先輩お笑いコンビ・あほんだらの神谷に出会いました。自分にはない奇想天外な発想をする神谷に惹かれ、徳永は弟子入りを志願します。神谷は自分の伝記執筆を交換条件に申し出を承諾しました。そんな、二人の人間の青春の生き様、芸人の輝きと挫折を描いた作品となっています。2015年にNetflixでドラマ化されています。
火花の舞台となった吉祥寺で一日、語り明かせる場所を巡る旅。
火花は、作者の又吉さん自身高校卒業と同時に上京し、三鷹に住んでいたことからか、登場するお店は実名店ばかりです。今回は、そんな火花の登場人物の一人になったつもりで吉祥寺を一日巡る旅に出ませんか。
朝は「武蔵野珈琲店」でリッチな気分に浸る
吉祥寺駅南口
画像出典：youtube
徳永と神谷の二人のシーンに何度も登場した吉祥寺駅南口を通り、少し歩くとビルの二階に徳永と神谷が雨宿りするシーンで登場した武蔵野珈琲店が見えてきます。雨宿りの最中の神谷の言葉に感銘を受けた人もいるのではないでしょうか。
「せやな。だから、唯一の方法は阿呆になってな、感覚に正直に面白いかどうかだけで判断したらいいねん。他の奴の意見に左右されずに。もし、俺が人の作ったものの悪口ばっかり言い出したら、俺を殺してくれ。俺はずっと漫才師でありたいねん。この珈琲美味いな。」
画像出典：Wei-Te Wong
吉祥寺駅南口付近は、ショッピングに最適です。2014年4月に、ファッションやグルメの店舗入居する駅ビル「キラリナ京王吉祥寺」がオープンしました。その他近くには、「丸井 吉祥寺店」「LABI吉祥寺」があります。井の頭公園に向かう細道は、個性的な服飾や雑貨を扱うショップやオープンテラスのカフェなどお洒落な通りとなっています。
火花おすすめグルメ 「チーズケーキ」
作中では、神谷が美味いなと言った、ブルーマウンテン珈琲とチーズケーキが描写されています。
吉祥寺でモーニングなら、「武蔵野珈琲店」。
吉祥寺駅から徒歩3分。昔からある純喫茶「武蔵野珈琲店」。武蔵野珈琲店は物語の舞台となっただけでなく、又吉さんが火花を執筆した場所としても有名です。又吉さんが日頃注文しているのは、カフェオレグラッセ(アイスカフェオレ)とガトーフロマージュ(チーズケーキ）です。珈琲専門店ということもあり、どの珈琲も抜群の美味しさです。お昼時は混むので、朝に行くことをおすすめします。
昼飲み開始！まずは「井の頭公園」でビールを一杯！
井の頭公園
画像出典：youtube
火花の中で度々登場するのが井の頭公園です。徳永と神谷の微妙な距離間を表現する時にふっと挟み込まれる風景描写のおかげで二人の空気感を共有したような気分になれます。
「吉祥寺で待ち合わせて、井の頭公園まで歩いた。焼鳥の「いせや」の脇の階段をくだり、霧がかかった木々のなかを歩いて行くと、煌々と輝く自動販売機に自然と足が向いた。」
画像出典：saname777
井の頭公園は、吉祥寺駅から徒歩5分の吉祥寺と三鷹の間に位置している公園です。
総面積は約380,000m²ととても広く、公園内にはボート場やスポーツランドなど自然と触れ合える施設が用意されています。
火花おすすめのグルメ「焼き鳥」
作中、もくもくとした煙の風景描写に焼き鳥が使用されていました。
井の頭公園で昼飲みするなら、「いせや」
吉祥寺駅から徒歩5分。公園入り口の手前にリニューアルした「いせや」があります。リニューアル後は店外に煙が漏れないような作りになっています。看板メニューはお店の入り口付近で焼いている焼き鳥です。一本80円で、炭火でじっくり焼いたお肉はとってもジューシーで美味しいです。常連客に人気のビックサイズな焼売も注文したい一品。ドラマの火花でもお昼に焼売が出たそうです。500円の瓶ビールでお手軽に昼飲みができちゃいます。
夜の大本命、「ハモニカ横丁」ではしご飲み〜
ハモニカ横丁
画像出典：youtube
ハモニカ横丁は、登場人物たちが自分の将来について熱く語り合うシーンでちょくちょく舞台となっています。神谷が食べる料理は、実際にハモニカ横丁のお店のメニューです。
「カネのない先輩芸人は「肉芽」一皿だけを頼んでチビチビ呑む…」
画像出典：ogiwaratakao
吉祥寺のハモニカ横丁は吉祥寺駅北口から徒歩1分のところにある、商店街です。
細い路地の中にお店はなんと100軒近く並び、その様子がハーモニカの吹き口に似ていることからハーモニカ横丁と呼ばれるようになったそうです。
火花のおすすめグルメ 「肉芽」
ハモニカ横丁で本気飲み一軒目は、「美船」
火花に登場する居酒屋「美舟」。実際のドラマの撮影にも使われているお店です。１Fはカウンター席のみ、２Fはテーブル席が多数あり店内は広めの作りになっています。おすすめはもちろん豚肉とニンニクの芽の炒め物「肉芽」です。他にも、自家製のポテトチップスや、魚肉ソーセージの天ぷらポコ天など人気のお料理がたくさんあります。お酒はビール480円、酎ハイ320円なので、一軒目にはぴったりです。
ハモニカ横丁で本気飲み二軒目は、「１丁目１番地 おふくろ屋台」
お腹と相談の二軒目は、軽いものからしっかりしたものまでなんでも揃っている「１丁目１番地 おふくろ屋台」。1軒目の美船から徒歩30秒ととても近い場所にあります。まるで友達の家に遊びに来たような雰囲気のお店で、冬場には座席がこたつになります。お料理とお酒はバリエーション豊かでどれも400円前後とリーズナブルです。メニュー名がどれも個性的なので、何が来るかドキドキです。写真は、人気メニュー「秘書課の花ちゃん」です。相手と自分どちらも満足することのできる二軒目で終了！
「吉祥寺」ってこんな街
住みたい街ランンキング常に上位の吉祥寺は、再開発が進みとてもクリーンなイメージが強いと思います。しかし、火花に実際に登場する吉祥寺は、昔ながらのディープな部分も持っていることを教えてくれます。井の頭公園がすぐ近く、都会の空気を忘れさせてくれるホッとする街です。
画像出典：sanochka sanochka
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