知らずに選ぶと損をするかも?!マンションとアパートの違いって何?

お部屋を探す時、マンションかアパートか気にされる人いるのではないでしょうか。マンションとアパートの明確な違いって知っていますか?今回は、お部屋探しに知っておくと必ず役立つ、建物の構造についてお伝えします!

マンションとアパートって何が違うの?

線引きは曖昧で、法的に明確な基準はありません

今まで、なんとなくマンションの方がアパートよりも格上だと思っていませんでしたか?
マンションとアパートの線引きは曖昧です。なぜなら、マンション・アパートと言う名前は不動産屋が勝手につけることができるからです。そのため不動産屋によっては2階建ての木造で明らかにアパートと呼ばれそうな物件でも、「〇〇マンション」と言う名前で登録し、広告にもマンションとして紹介するということがあります。

アパート・マンションを分けるときに不動産業界内のふわっとした基準は下表になります。

名前 階数 構造
アパート 低層階(だいたい2階以下) ・木造
・軽量鉄骨造
マンション 階数制限なし ・重鉄骨造
・鉄筋コンクリート造
・鉄筋鉄骨コンクリート造

今後物件を探すときはマンション・アパートと言う名前にこだわるのではなく、建物の構造で区別してみてはいかがですか。
今回は5種類の物件構造について構造の特徴と住み心地についてお伝えします。
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画像出典:東建コーポレーション

木造の住み心地はどう?

音が気にならない木造のお部屋を探せばコスパ◎

木造は、木の柱に壁を貼っていく構造で、柱の間には断熱材や防音材が入ります。

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画像出典:国土交通省

木造(在来工法)の効果表
効果 評価 理由
耐震性 1981年以降に作られた建物であれば新耐震基準の建物なので問題ない
耐火性 材木性質上燃え移った場合、火の広がりが早い
耐久性 法定耐用年数が22年と耐久性はまあまあ
気密・断熱性 壁が薄く隙間が多いため気密性は低いが、その分部屋全体が広く見える
遮音性 比較的音が通りやすい
建築コスト 建築コストがあまりかからないので家賃がお手頃
改装・改築 材木なので周りの環境に対して害を及ぼしにくい、建築の自由度が高い


最近では耐火性の高い材木や木造構造の開発が進んでいるので、一概に燃えやすいと言うわけではありません。また、遮音性は高くないですが、周りの環境が静かであれば音の心配をすることはありません。木造で音が気になる人は角部屋をオススメします。

鉄骨構造の住み心地はどう?

耐震性の優れた広いお部屋に住みたい人にはぴったり

鉄骨構造には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造があります。
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画像出典:株式会社ヒロ建設工業

軽量鉄骨造は、鉄鋼製の柱や梁を使っていて鉄骨素材の板の厚さは6mm以下です。イメージとしては木造の木の部分が鉄骨になる形です。
重量鉄骨造は、厚さ6mm以上(一般的には9mmや12mm)の鋼材を使用します。
厚さが違うだけなのですが、軽量鉄骨と重量鉄骨では段違いの差が存在します。表は重量鉄骨よりで作っていますので悪しからず。

鉄骨造(重量鉄骨造)の効果表
効果 評価 理由
耐震性 1981年以降に作られた建物であれば新耐震基準の建物なので問題ない
耐火性 鉄骨は性質上燃焼温度540度を超えると倒壊リスクが高まる
耐久性 法定耐用年数が34年と耐久性が高い(軽量鉄骨造19年)
気密・断熱性 骨組みはしっかりしているが壁が分厚いわけではないので気密性は普通
遮音性 壁が分厚いわけではないので遮音性は普通
建築コスト 木造に比べ一坪10万円以上高くなる場合がある
改装・改築 構造上柱の数を減らせるので間取りの自由度が高い

鉄は引張力、圧縮力に強く変形しにくい材料のため、耐震性に優れています。骨が太く重量があるのでかなりしっかりした骨組みになっていますが、壁が薄い場合は必ずしも遮音性が高いとは言えないのでご注意ください。ただ、柱の本数を少なめで作ることができ、構造的に間口の広い部屋に見せることができます。

軽量鉄骨と重量鉄骨の違いって何?

重量鉄骨の方が住宅性能面で優れています

軽量鉄骨と重量鉄骨の明確な違いは、その名の通り「重さです。重さの違いが性能の差に現れます。

  1. 構造的特徴
    重量鉄骨…ラーメン構造の場合は、柱・梁を強固に接合することで高い耐久性と間取りの自由度を実現し、大空間を作る事が可能です。
    軽量鉄骨…木造と同じような構造になっているため、耐久性と間取りの自由は制約されます。
  2. 施工的特徴
    重量鉄骨…狭小な敷地でも施工可能で、都市部でも建てることが可能です。ただし、建物自体が重くなるのでそれを支える基礎はかなり強固なものが必要となります。その分コストも若干高くなります。
    軽量鉄骨…工場で大量生産することで精度が高く、施工者の技量に左右されないという特徴があります。骨組みは軽いので、地盤の強固さは重要視されません。


    ※ラーメン構造とは、柱が梁と剛接合している構造のことを指します。

コンクリート造の住み心地はどう?

家賃は高いですが、住む価値は十分にあります

コンクリート造には、鉄筋コンクリート造(RC)と鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)があります。
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画像出典:リフォーム徒然日記

鉄筋コンクリート造(RC)は、柱・梁・床・壁に鉄材とコンクリートを使用しています。組んだ型枠の中に鉄筋を設置し、そこにコンクリートを流し込んで、建物の骨格部分を作ります。
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)は、柱などの鉄骨の周りにさらに鉄筋コンクリートを施工した物件のこと。鉄筋・コンクリート・鉄骨によって構成されます。鉄骨の周囲に鉄筋を組み、コンクリートを打ち込みます。

コンクリート造の効果表
効果 評価 理由
耐震性 1981年以降に作られた建物であれば新耐震基準の建物なので問題ない
耐火性 厚さ10cm以上の鉄筋コンクリートは耐火構造と呼ばれ、火災発生後2時間は変形しない
耐久性 法定耐用年数が47年、コンクリートがアルカリ性のため鉄筋が守られ錆びにくくなっている
気密・断熱性 コンクリートは圧縮に強く、隙間なく壁に埋め込まれるため気密性が高い
遮音性  コンクリートの壁が分厚く、重さも十分あるため遮音性が高い
建築コスト  素材の使用量や作業工程により建築コストは非常に高い
改装・改築  ラーメン構造、柱・梁をなくした壁式構造、アーチ(曲線)構造など建築時は自由だが増築・リフォームには不向き

耐震性・耐火性・遮音性などあらゆる方面に優れているコンクリート造ですが、その分建築コストが嵩むので家賃設定も高めです。

鉄筋コンクリート造(RC)と鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)の違いって何?

強いて言うなら、選択肢の違い

鉄筋コンクリート(RC)と鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)の違いと聞いて気になるのは、「安全性」はどちらの方が高いのかということだと思います。結論から言いますと、建物を建てる際は一定の安全基準を満たさなければいけないので、どちらか一方の安全性が高いということはありません。
では、何が違うのでしょうか。

  1. 構造的特徴
    鉄筋コンクリート造(RC)…鉄筋は「熱に弱く錆びる」「引っ張り力には強いが圧縮力には弱い」という特性があります。コンクリートはアルカリ性で耐火性があり、「圧縮力には強いけれど引っ張り力に弱い」という特徴があります。建物にかかる圧縮力にはコンクリートで対抗し、引っ張り力に対しては鉄筋で補強し、コンクリートと鉄筋が一体となることで強度のある建物を建てられます。
    鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)…鉄筋とコンクリートの効果に鉄骨の「しなやかさ」が加わります。大きな空間を作れる構造を取り入れることでき、鉄筋コンクリート造よりも細く強い柱で強度のある建物を建てられます。
  2. 施工的特徴
    鉄筋コンクリート造(RC)…ラーメン構造やアーチ構造など比較的自由な形の建造物を建てることができます。ただし、建物自体が重くなるのでそれを支える基礎はかなり強固なものあるいは広大な地盤が必要となります。
    鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)…狭小な敷地でも施工でき、耐震性の高い建物が建てられます。高層のマンションや大空間の建物に向いていて、レイアウトの自由がききます

鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)の方がコストはかかりますが、鉄筋コンクリート造(RC)よりも建てる場所の選択肢の幅が広いといえるでしょう。

防音性が高いのは鉄筋コンクリート(RC)と鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)?

大事なのは構造ではなく、壁や床の仕様(厚さなど)!

建物の遮音性は、壁や床の素材が重いほど高くなります。木の比重が0.4~0.9程度なのに対してコンクリートの比重は2.3。鉄筋コンクリートと鉄筋鉄骨コンクリートとの家は、壁や床そのものが分厚いコンクリートで構成されるので、比較的遮音性が高いと言われています。
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画像出典:飯島建設株式会社

防音対策としては、壁の厚さが200mm以上あれば安心だと言われています。鉄筋コンクリートのマンションだとしても壁が薄ければ遮音性が高いとは言えません。必ず不動産会社に確認しましょう。

結局、どこに住むのが一番良いの?

自分の譲れないポイントに合わせて選ぶのがベスト

どの構造にもそれぞれの良さがあります。自分が引っ越す時に譲れないポイントと妥協できるポイントを決めて物件を選ぶと良いでしょう。

木造…多少の音は気にしないが家賃は抑えたい部屋は広めが良い人向け
軽量鉄骨…多少の音は気にしないが家賃を抑えめで耐震性があり広めの部屋に住みたい人向け
重量鉄骨…地盤のしっかりした場所という制約はあるが、耐震性と広さを求めたい人向け
鉄筋コンクリート(RC)…家賃は高くてもいいから、遮音性が高く耐震性のある部屋に住みたい人向け
鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)…家賃はかなり高くてもいいから、遮音性・耐震性・部屋の広さなど部屋にこだわりがある人向け

ここでご紹介したものはあくまで一例です。素材の違いだけでなく、組み立て方の違いなどによっても部屋の効果は変わってきます。気になったお部屋があれば、不動産屋に直接聞くことをおすすめします。

歩いて行かなくても直接聞ける不動産屋

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