お部屋さがしをはじめる前に!初期費用ってなんのことだかわかりますか?家をかりるために必要なお金のことなのですが、家賃分のお金を用意しとけば大丈夫って思ってる人がけっこう多いんですよね。私も引越しをした経験がないので全く知りませんでした・・・。そこで、今回はiettyの仲介事業部の方に初期費用について詳しく聞いてみました!
初期費用には主に8つの項目があり、相場は家賃の5〜6ヶ月分
部屋をかりる契約をするためには初期費用というお金がいるそうなのですが、家賃のことではないんですか?
家賃ももちろん必要です。でも部屋をかりるためには家賃以外にも必要なお金がたくさんあるんです。ここでいう「部屋をかりるために必要なお金」とは「賃貸契約をむすぶために、不動産会社や大家さんに払わなければならないお金」のことです。たまに、引越し代や家具、家電代も含めて初期費用と呼んでいる人もいますが、一般的には契約金のみのことを指します。
引越し代や家具、家電代だけでもけっこうな金額になるのにさらにお金が必要になるなんて・・・。だいたいどのくらいのお金が必要になるのでしょうか?
物件によって差はありますが、だいたい家賃の5〜6ヶ月分が相場となっています。家賃6万円のところに住もうと思ったら、30万〜36万円ほど用意しておかなければならないということです。さらに、新築の部屋だったり、犬や猫などのペットと一緒に住もうと思ったらプラス1、2ヶ月分は覚悟しておいたほうがいいです。その理由は敷金の説明と一緒にお答えします。かなり大きな額なので、どのくらいかかるかわからないと不安ですよね。契約するかわからない場合でも見積もり書を作ることはできるので、気になった物件があったら見積もり書を作ってもらうことをオススメします。
家賃の約半年分も必要なんですね!知らないとせっかく引越しする気満々だったのに貯金がなくてできない・・・なんてことになっちゃいますね。いったい何にそんなにお金がかかるんですか?
初期費用には一般的に8つの項目の費用が必要となります。一つづつ見ていきましょう。
敷金(保証金)
こちらは契約時に払いますが、退去時に戻ってきます。それでは何のために払うのかというと、何かあったときのための担保のような役割を果たすのです。例えば家賃が払えなくなってしまった場合、この敷金から家賃分が引かれます。その分退去時に返ってくるお金は減りますが。他にも退去時に壁に傷や穴があった場合などの部屋の修復費用として敷金から引かれます。この場合も、修復費用を差し引いた分の敷金が返ってくることになります。新築だとなるべく新しい状態に保つため、ペットを飼う場合は退去時の汚れや傷が酷い場合が多いので修復費用が高額になる傾向にあります。その修復費用をしっかり回収できるように敷金が高くなることが多いんです。相場は家賃の1ヶ月分です。
敷金は聞いたことがあります!そういえば、ネットなんかでは「敷金ゼロの物件は退去時の原状回復費用でトラブルになることが多い」とよく書かれていますよね。敷金ゼロの物件には気をつけないと・・・。
うーん。たしかにそういった内容の記事をネットでよく見かけますが、正直、実際の市場とはまったく異なった内容になります。
え、違うんですか?
敷金ゼロの物件のデメリットはほとんどないです。まず、敷金ゼロといっても契約時に清掃費というものを請求されます。これが退去時の原状回復費になります。このように敷金ゼロの場合も事前にお金を払っているので、退去時に高額な費用を請求されることは現実的にはほぼないです。この清掃費は敷金の相場である家賃1ヶ月分より安いことが多いので、初期費用を抑えたい人にはオススメです。もちろん原状回復費が清掃費を上回った場合は、足りない分を退去時に支払うことになるのでトータルコストとしては敷金がある場合と変わりませんが。敷金ゼロよりも敷金2ヶ月で退去時に敷金を返さないといったトラブルのほうが多いです。
なるほど。実際に現場にいる方でないとわからないことですね。
この記事を読んで、誤った認識が減ってくれることを願ってます。他の項目も見ていきましょう。
礼金
礼金とは文字どおり、部屋を貸してくれる大家さんにお礼としてお金を包んでいた慣習によるものです。現在では、入居者を増やすために礼金0円としている物件が増加している傾向にありますね。相場としては1ヶ月のところが多いです。
仲介手数料
一般的に不動産会社は、大家さんと入居者の架け橋のような仕事をしています。入居者の希望条件に合った物件を紹介し、住みたい!となったらその物件の大家さんと契約のやりとりを入居者に代わって行います。そのようなやりとりを行ってくれる不動産会社に対する報酬が仲介手数料です。家賃の1ヶ月分が相場です。
前家賃
入居日の翌月の月額家賃と管理費(または共益費)のことです。例えば6月のなかばに入居したら、7月分の家賃を契約時に払うことになります。多くの大家さんは10日、または15日を基準として契約時に前家を請求するか決めています。例えば基準日が15日の場合、6月14日までに入居した場合は前家賃を契約時に払う必要はありません。ただ、月末には前家賃である7月分の家賃を払わなければならないので、払うタイミングがちょっと遅くなるくらいの違いですね。翌々月分まで契約時に払ってほしいという大家さんもいますが、たいていは翌月分までのことが多いです。
日割り家賃
月額家賃と管理費(または共益費)をその月の日数で割って、入居日から月末までの日数をかけた金額になります。月額家賃と管理費(または共益費)合わせて60000円のところに6月23日に入居したとしたら、
60000÷30=2000 30−23+1=8 2000×8=16000
16000円払うことになります。
6月1日などの月初めに入居した場合は必要ありません。
賃貸保証料
賃貸契約をする場合、連帯保証人を求められることが多いです。しかし、連帯保証人を頼める人がいない場合もありますよね。そんなときに、お金を払うかわりに連帯保証人と同じ役割を果たしてくれる会社を保証会社といいます。その保証会社に支払うお金を賃貸保証料といいます。ただ最近では連帯保証人の信用度が落ちているため、連帯保証人がいても保証会社への加入を必須とする物件がほとんどです。月額家賃と管理費をあわせたお金の半月分が相場です。
火災保険料
ほとんどの場合、契約時に加入を求められます。もちろん万が一のこともあるので、加入しておくのが一番です。相場は2万円くらいなのですが、ちょっとネットで「賃貸 火災保険」で調べてみてください。
色々な会社が火災保険のプランを出していますね。でも見てるかぎり2万円ってちょっと高くないですか?安いものだと1万円以内のものもありますよ。プランの内容もあまり変わらないのに・・・。
そうなんです。2万円より安くてクオリティもそんなに変わらない保険会社ってたくさんあるんです。でも、管理会社が指定してくるのはたいがい2万円くらいかかる保険会社なんですね。しかも、指定の保険会社と違うところと契約するなら部屋を貸すことはできないと言ってくる場合がほとんどです。本当は保険会社は自由に選べるはずで、このように「指定の保険会社と契約しないと部屋を貸さない」とすることは違法です。ただ、その事実を知らない入居者が多く、また知っていても、これから住むことになる家の管理会社ともめたくないといった理由でほとんどの人が指定の保険会社と契約してしまうんですね。
指定している保険会社と癒着しているということですよね。かなり悪質に思えるのですがなんとかならないんですかね?
残念ながら、現状ではこのような管理会社がほとんどです。この事実が広まって、こういった悪質な行為が減ってくれるといいのですが・・・。最後の項目を見てみましょう。
鍵交換費用
安全のために新しくカギを交換するのに必要なお金です。相場としては15000円前後になりますが、ディンプルキーと呼ばれるセキュリティー効果の高いカギになると20000円程度になります。
一般的には以上が賃貸契約をするために必要なお金です。物件によっては他にも細かい費用がかかることもあり、たいてい図面の備考欄に書かれているのでしっかり見落とさないように気をつけましょう。また、よくわからない費用がある場合も不動産会社に確認して自分で把握しておきましょう。
まとめ
引越しには欠かせない初期費用。かなりの金額になるぶん、どんなことにお金を払うのかしっかり把握しておきたいですよね。プロの方の意見を聞くことで、より具体的に初期費用について考えることができたのではないでしょうか。引越し前にどんなお金がかかるか押さえて、スムーズに引越しをしましょう!